面白キャラ大集合ピックアップ 6選

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 アガサ・クリスティーの作品は多数あり、本格的ミステリーのものからスパイ冒険物語、ロマンス小説まで多岐にわたりますが、登場人物も忘れられない個性的な人々が多数います。忘れえぬ女性たち<煌めく個性の競演 忘れえぬ女性たち>であったり、元気いっぱいのおきゃんな女の子たち<アガサ・クリスティーのおきゃんな女の子作品 ピックアップ5選>であったり。今回ご紹介したいのは、その中でもさらに、個性的でしかも面白いという面々の登場する作品をご紹介したいと思います。

アガサ・クリスティーのユーモア

 アガサ・クリスティーの作品は、ユーモアがあると言われたり、反対にないと言われたり様々な評価を耳にしますが、もちろん私は、ユーモアたっぷりの人だったと思います。作品によっては、シリアスを貫いたりしていますが、別の作品では、遊び心一杯のユーモアを発揮しています。それは、時には上品に、時には砕けた調子でちょこちょこでてきます。また、登場人物しかり。筆頭のヘイスティングズ大尉をはじめ、アガサの分身と言われているオリヴァー夫人、そして単発で登場し、その強烈なキャラで笑わせてくれる人が何人かいます。

ヘイスティングズ大尉の暴走を止めよ!

 面白キャラで外せないのが、ポアロの相方ヘイスティングズ大尉『スタイルズ荘の怪事件』初お目見えし、短編『ポアロ登場』でも活躍します。もちろん、アガサが敬愛するシャーロック・ホームズとワトスン博士の関係を真似たものだとは、よく知られた話です。ちょっとおドジなところと、女性に優しいところはそっくりですが、さらにヘイスティングズ大尉には、惚れっぽいのが加わります。彼の登場する作品は長編で8作品ありますが、そのなかから、ヘイスティングズ大尉の魅力を余すことなく描かれている2作品のご紹介です。

1 『ゴルフ場殺人事件』1923年 **ヘイスティングズ大尉の暴走を止めよ**

 舞台はフランスに移ります。これは、ヘイスティングズ大尉の魅力を余すことなく書かれている作品です。”あーこれやっちゃうな”という場面でやっぱり失敗するし、惚れっぽさ全開です。ポアロにおこられたり、からかわれたり、それでも憎めないのが彼の良さ、まじめでお人よし。愛すべきキャラクターです。

2 『もの言えぬ証人』1937年 **ヘイスティングズ大尉に心強い相棒ができた?!**

 献辞が、アガサの愛犬ピーターにおくられています。大の犬好きで、特に、テリアが大好きだったそうです。このピーターは、アガサがつらかった時の、精神的助けになったワンちゃんです。この作品に出てくるボブもたいそう愛くるしく、また、ポアロよりもヘイスティングズ大尉になつきます。ここは、ヘイスティングズ大尉の一本勝ち。彼とボブとのやり取りが微笑ましいです。この作品の後、残念ながらヘイスティングズ大尉は『カーテン』に登場するまで、作品にはお目見えしません。この作品でたっぷり、ヘイスティングス大尉の良さを味わっていただきたいと思います。

その他作品 ヘイスティングス大尉の登場する長編

 ヘイスティングス大尉の登場する作品は『スタイルズ荘の怪事件』『ビック4』『邪悪の家』『エッジウエア卿の死』『ABC殺人事件』そして最後の作品『カーテン』。この『カーテン』に登場するヘイスティングズ大尉は、ポアロを心配し娘を心配するあまりに、娘にウザがられたりする不器用で等身大のヘイスティングス大尉がみられます。ただ内容はシリアスです。

オリヴァー夫人は、アガサ・クリスティー?

 お茶目なオリヴァー夫人の紹介です。ミステリー作家で、アガサ同様に売れっ子です。大柄な体形と押しの強さ、髪型には様々なバリエーションがあり、その描写にくすっとさせられます。そして、彼女の周りには常にリンゴが・・・。アガサ・クリスティーもりんごが大好き。様々なことがアガサと似ていて、アガサの分身と言われています。オリヴァー夫人の登場する2作品をご紹介したいと思います。

1『マギンティ夫人は死んだ』1952年 **転がり落ちてくるリンゴたち**

 この作品は珍しくアガサが、労働者階級の人々を書いていると言われている作品です。ポアロは事件解決のため、その村に滞在しています。オリヴァー夫人も偶然この村に住む劇作家を訪ねていき、ポアロと再会します。その登場シーンが強烈。車から、リンゴとともに飛び出してくる夫人。そして、劇作家と静かなバトルも読みどころの一つ。オリヴァー夫人の口を借りて、アガサの内面があらわれていて興味深いです。           

2『死者のあやまち』1956年 **ポアロを呼びつけるオリヴァー夫人**   

ご存知のかたは多いと思いますが、この作品にでてくるナス屋敷グリーンウエイハウスをモデルにしています。その屋敷の余興のために招待されていたオリヴァー夫人が、どうも何か起こりそうな嫌な予感がすると、ポアロにSOSをだし呼び寄せます。ポアロを電話で強引に呼びつけることができるのは、オリヴァー夫人だけ!

 その他オリヴァー夫人が登場する作品

『ひらいたトランプ』『第三の女』『ハローウイーン・パーティ』『像は忘れない』ヘイスティングス大尉と入れ替わりに登場回数が増えていきます。

その他の面白キャラ

1『茶色い服の男』1924年 **アンに負けない存在感**

 この作品は、前夫のアーチーと2年後に開催される予定の大英博覧会の使節団として、世界旅行に行ったときの経験が生かされています。それ故この作品は、舞台もイギリスの片田舎から、ロンドンそして船旅で南アフリカまでスケールの大きいものになっています。ヒロイン”アン”を取り囲む登場人物もカラフルで、一人ひとりが強烈なキャラで笑わせてくれます。特に強烈な方がひとり。それは読めばばすぐわかる。若いアガサが、元気いっぱいにこの作品を書いていたことが感じられます。

2『七つの時計』 **キュートさでいったらNO.1かな?**

 これも、おきゃんな女の子でも紹介した作品ですが、今回は、バンドルのパパが登場です。なんともかわいらしいキャラで言うこと一つ一つが笑えます。言うことなしのキュートなパパ!

3『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか』1934年 **数行で表す親子の愛情**

めちゃ面白いというわけではないのですが、ボビーとその父親は、互いのことを心配し思いやっているのですが、何故かすれ違ってしまう。そんな親子のやり取りが、ほんわかしていて、やるせなさもあり秀逸です。ミステリーのなかにもこういった何気ないシーンに癒されます。

キャラではないけど面白いシーン

 まず『書斎の死体』です。出だしの秀逸さは、有名な話ですが、要所要所に出てくる面白いシーンもあり、紹介したいと思います。かわいい男の子が登場しますが、事件に興味深々。その男の子が夢中になっておしゃべりするシーンが微笑ましいんです。男の子が、いろいろな探偵小説作家のサインをもらっていると自慢している中に、ちゃっかり自分の名前を出しているアガサ。ニヤニヤが止まりません。

 アガサ・クリスティーにとってアメリカ人というのは、明るく開放的。アガサの父親はアメリカ人であり、非常に好人物だったということですから、常にそのイメージがあったのかもしれません。『白昼の悪魔』に登場する代表的なアメリカ人夫婦。 緊張感がじわじわと高まってくるなかで、さりげないワンシーンの二人の会話が作品のなかでいい味だしています。

まとめ

 アガサ・クリスティーの良さは様々ですが、こんなふうにちょっと笑わせてくれるところがまた、魅力の一つだと思います。さりげない会話、または、さりげないワンシーンでそれぞれの個性や人間味を描き出し、何層にも物語に味わいを醸し出してくれます。上記の作品は、ミステリーとしてもちろん面白く、さらにその登場人物、面白キャラに満足させてもらえます。

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