ノンシリーズおすすめ8選&苦手3選

読み方

 アガサ・クリスティーは、ポアロやミス・マープル、トミーとタペンスなどのシリーズものとはまた別に、ノンシリーズの作品も多数書いています。メアリ・ウエストマコツトの作品をのぞき長編19作品ほどあります。特に有名なのが、アガサ・クリスティーの代表作『そして誰もいなくなった』です。この作品の他にも面白い作品が何作もあるのですが、どれを読んだらいいか選びにくいですよね。お助けすべくおすすめ8選を紹介したいと思います。また、アガサ大好きな私でも苦手な作品が・・・それも紹介してしまいます。むしろその作品に面白みを感じる方もいるのでは・・・?

ノンシリーズの魅力

 ノンシリーズの魅力は、何と言ってもバラエティー豊富なところと、ドキドキ感です。いつものメンバーが不在です。安心できるポアロやミス・マープルがいない。トミーとタペンスが出てこない。誰が犯人かわからない、どう物語が展開するのかもわからない。主人公さえ信じていいのかわからない。そんな不安定な中に読者は置かれます。心細さが付きまといます。定番の枠を超えた面白さがあります。  

 また、後年アガサが心を砕いていた、無実の人を救うという思いが、このノンシリーズは強く表れているように思います。犯人を捕らえることを経糸に、横糸には無実の人々を救うという物語が紡がれていきます。シリーズとはまた違った魅力をお楽しみください。

おすすめ8選

 まずは、おすすめ8選のご紹介です。

1『七つの時計』1929年 **滑稽のなかに**

おすすめポイント

 NOで呼び合っている謎の組織だの、お嬢様だの、その周りを取り囲む面白キャラだのに騙され、ふーんとかなんとか思いながら読み進めると、しっかり”えっ”という展開が待っています。さすが、アガサ・クリスティー!

2『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか』1934年 **だれかさん達を思い出すね**

おすすめポイント

 トミーとタペンスの『秘密機関』と『NかMか』の間に書かれた作品です。主人公の二人は、トミーとタペンスに似ています。明るく魅力的なキャラに、二人の関係性も絡みながら期待を裏切らない仕上がりに。読後感のさわやかさは秀逸。

3『そして誰もいなくなった』1939年 **言わずと知れた超有名作品**。

おすすめポイント

 アガサ・クリスティーの代名詞でもあるこの作品は、アガサの名前は知らなくてもこの本の名前は知っているというくらい、世界中によく知られた作品です。ちょっとこわい。物語性のあるアガサの作品群と比べると、またちょっと違ったものになっています。

4『ゼロ時間へ』1944年 **玄人好みの傑作**

おすすめポイント

 殺人を犯してしまう到達地点を0時間とすると、その前からすでにカウントが始まっているという発想から、殺人犯が計画を練っているシーンからはじまります。渋いバトル警視を登場させた、バトル警視同様の渋い作品。それぞれの思いを胸に、一堂に会した登場人物の面々。何か起こりそうな予感がむんむんしています。そして、冒頭描かれていた殺人者は誰なのか?読者は、ハラハラドキドキさせられます。バトル警視の家族も登場して、彼の家庭人らしい一面が垣間見られるのも魅力です。

5『忘れられぬ死』1945年 **登場人物たちのこころに浮かび上がってくるあの人**

おすすめポイント

 夫にとって、本当に忘れられない愛する人。でも、その女性を取り囲む別の人々の心に存在し続けるのは、また違った姿。忘れたいのに忘れられないあの人。登場人物一人ひとりの心の内を追っていくうちに、鮮やかにその女性の輪郭が浮かび上がります。最後は驚きの結末に。

6『ねじれた家』1949年 **これは・・・**

おすすめポイント

結婚を約束した女性の家で殺人事件が起き、この事件が解決するまで結婚できないと言われてしまう。彼女の住んでいる家は、「ねじれた家」。「ねじれた」とは”家”なのか”そこに住む人々”をさしているのか?あの有名作品を彷彿させるちょぴり問題作。

7『無実はさいなむ』1958年 **最も言いたかったこと**

おすすめポイント

アリバイの証人であったキャルガリは、不慮の事故で記憶をなくており、無実の人を救うことができなかったと知る。後悔を胸に、それでも真実を知らせようとその家族のもとへ向かう。大歓迎とはいかないまでも、よくぞ知らせてくれたと言ってくれるものと、心ならずも思っていたキャルガリだったが、その登場は、家族を再び苦しみのなかに陥れるものだった。家族のなかに、真犯人がいるかもしれないのだ。人々の心に恐怖と不安が湧き上がる。犯人を捕らえることは、痛みをともなうことかもしれないけれど、犯人が捕まらない限り、互いに疑いの目でみることからも抜け出せない。人々の心の揺れを描きながら、その根底に流れているのは、無実の人々を救うということだと思います。

8『終わりなき夜に生れつく』1967年 **悲しきメロディー**

おすすめポイント

 この題名は、英国のロマン派詩人ウィリアム・ブレイクの詩『罪なき者の予言』から引用されています。この作品の道しるべににもなっています。また、作品の途中で、ギターをつま弾きながら、エリーが歌う悲しい歌。そのメロディーがずっと作品のなかに聞こえています。エリーは、なにを思っていたのかな?ヒロインの”エリー”は、忘れがたい主人公です。

苦手3選

 長年アガサ・クリスティーを読み続け、何度も飽きずに繰り返し読んできた私ですが、100冊近いアガサの作品のなかで苦手な作品が何冊かあります。ノンシリーズでは、3作品あります。どうしても繰り返し読む気になれず、他の作品よりも圧倒的に読んだ回数は少なくなっています。それぞれ2回くらいでしょうか?このブログの中で、他のページで紹介することはほとんどないと思うので、こちらで紹介しておきます。アガサの作品は、好みも分かれることもあり、”これらの作品が好き”という方もいらっしゃると思います。だからこそ、今でも出版されているのだと思いますし。なのでこれはあくまでも私のチョイスです。

1『死が最後にやってくる』1944年 **古代エジプトの話なんだけど・・・**

苦手ポイント

 これは簡単明瞭。せっかく古代エジプトの面白そうな作品なのに、グチグチとなんだかんだ言う登場人物が苦手。物語全体が暗く愚痴っぽい感じになちゃったような・・・。この人物がOKな人は、面白く読めるかな???

2『死への旅』1954年 **うーん、何だろうね・・・**

 ミステリーの感じを離れてしまっても面白いと思う作品は、それぞれの登場人物に魅力がありその力に引っ張られて物語の中にともに突入していく感じだけど・・・最初は面白かったけど、途中からなんだかな、になりました。私には、閉所恐怖症の気があるので、その雰囲気があるこの話が息苦しいかったのかも。そうでない方はOKかなあ????

3『フランクフルトへの乗客』1970年 **「悪の組織」はもういいかな・・・**

 霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略』にはある意味すごい作品とあり、星の数では表せられないらしいんだけど。私には残念ながら、この作品の良さはわかりませんでした。この作品に面白さを感じ、好きだと思う方はすごい!です。

 ポアロシリーズの『ビッグ4』も苦手な作品に入るので、まあ何となく自分が、どんな感じが苦手なのかわかるような気がします。もちろん『ビック4』好きだという方も知っております。この様々な読み方ができるところもアガサ・クリスティーの魅力だと思います。

まとめ

 最初の部分にも書いたように、ノンシリーズはポアロやミス・マープルなどいつもの探偵から離れて、アガサの想像力(創造力)を自由にフル活用しているので、バラエティー豊富で、傑作も多く生まれているのだと思います。好みは人それぞれで、それぞれの楽しみ方ができるのも、ノンシリーズの魅力だと思います。

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